風評被害・誹謗中傷対策


Rumor damage / Slander prevention measures

風評被害・誹謗中傷対策

ネットトラブルに対応する体制構築の必要性

インターネットが日常生活・企業活動に深く根ざし、もはやなくてはならない存在となった現代において、企業活動におけるインターネット上のトラブルが多発しています。特定の企業・業界についてありもしないウソが発信された場合、その企業・業界は風評により大きな損害を受け、失った信頼を取り戻すために多額の費用を要することになる恐れがあります。そのため、企業にとって、このようなトラブルに迅速かつ適切に対応する体制の構築が必須といえます。

自社の評判を貶めるつぶやきや口コミがなされた場合、それを「大したことない」「どうせ誰も見ていない」と決め込み、放置することは経営判断としてとってはならない選択です。誰もがみな匿名で自由に発言できる時代となった今、SNS上の1人のユーザーの発言が全国・全世界まで広がり、関係者に多大な影響を与えるという事象が度々起こっているのです。どの書き込みが、いつどのような形で拡散・炎上し、企業にどのような影響を与えるのか、その予測は困難であり、拡散される前の迅速な対応が重要になってきます。

具体的な対応策

このような誹謗中傷・風評被害対策として企業が取り得る手段としては
①書き込みの発信者、管理者等に対し、当該書き込みの削除を求める
②書き込みの発信者を特定し、損害賠償請求を行う
③刑事告訴、被害届を提出する
④プレスリリースを行う
⑤逆SEO対策(当該書き込みのあるページが検索結果の上位に表示されないようにすること等)
が考えられます。

口コミサイトや電子掲示板のサイト管理者、サーバー管理者等は、技術的に当該書き込みを削除することが可能なことが多く、誹謗中傷・風評被害対策としては、まずこの者たちに対して、①書き込みの任意削除を求めることが考えられます。この者たちに対し、「この書き込みは当社の権利を不当に侵害しているので、削除してほしい」と申し出るのです。侵害される権利として、よく用いられる権利は、著作権や商標権などの知的財産権のほか、名誉棄損に基づく名誉回復措置請求権などがあげられます。

彼らが任意の削除に応じない場合には、訴訟を提起し、強制的な削除を求めることが可能です。その書き込みがブログ等によってなされていた場合には、発信者自身がその書き込みを削除することが可能なため、発信者自身に対して、削除請求が可能です。他方で、電子掲示板や口コミサイトの場合、単に投稿を行っただけの発信者は書き込みを削除・修正することが出来ない場合が多いため、発信者に対して削除を請求する実効性に欠けます。

削除だけでなく、書き込みによって会社が被った損害の賠償を、発信者に対して請求することも考えられます。これが上記②です。

発信者を相手方として損害賠償請求訴訟を提起する場合、まず当該書き込みの発信者の氏名、住所を特定する必要があります。訴状には、発信者の氏名、住所を記載する必要があるからです。そのために、発信者の情報を有しているプロバイダに対し、発信者情報開示請求を行います(厳密には、まずサイト管理者等に対し特定の書き込みをした者のIPアドレスとアクセスログの開示を請求し、次に、プロバイダに対し、アクセスログが示す日時にIPアドレスを使用していた者の情報の開示を請求するという流れになります)。発信者の情報を得ることが出来た後、訴訟を提起します。

このように、書き込みの削除及び損害賠償を求めるだけでなく、間接的に書き込みの削除を求める方法として、③刑事告訴、被害届を提出することが考えられます。これは再発防止手段として強力ではありますが、インターネット上のトラブルに関して警察があまり積極的ではないのが現状なため、書き込みの悪質性が高いケース等に限定されます。

また、事実無根の書き込みがなされた場合、そのような事実は全くないことを自社のHPやマスコミを利用して④プレスリリースするという方法もあります。

⑤逆SEO対策については、専門のIT企業が得意とするところです。但し、書き込みが削除されるものではない点や、長期的な対策が必要になり、費用が高額化するといったデメリットがあります。

小括

①から⑤の手段は、どれか1つを取れば、他は実施できないという関係ではありませんので、具体的状況に応じて、それぞれの手段を取捨選択して、実施することが可能です。何よりも重要なことは、自社の信頼、評判を貶める書き込みを発見した際に、迅速に対応することです。

当法人では、これまでインターネット上での誹謗中傷・風評被害にあわれた企業のご相談を多数受けてきた経験から、①から⑤の手段のどれを選択すべきか、どのように実施すべきか、風評被害を受ける前段階の予防的手段も含め、取り得る手段を具体的かつ迅速に御提示できる体制が整っております。

前述の通り、いつ自社がネットで炎上し、損害を被るか予測困難な時代です。適切かつ迅速な対応をし、被害を最小限に抑えるため、ぜひご相談ください。

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